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体外受精で妊娠した場合の出産予定日はいつになる?自然妊娠との違い

妊娠が確定した後、気になるのが出産予定日がいつなのかということではないでしょうか。

「体外受精で妊娠した場合も自然妊娠と同じなの?」といった疑問を抱えている方もいるはずです。

そこで、体外受精による妊娠における出産予定日の考え方や、決まり方について解説します。

この記事を読むことによって、体外受精で妊娠したケースではいつ頃赤ちゃんが生まれてくることになるのかわかるようになるので、ぜひご覧ください。

体外受精で妊娠を目指す場合の出産予定日の考え方

体外受精時の出産予定日は排卵日から考えることになります。

排卵した日を「妊娠2週0日」として出産予定日の算出が可能です。

いつ排卵したのかについては、採卵日や胚移植日、培養日数などに関する情報から決定することになります。

凍結胚移植である場合は、排卵日の考え方が少し変わってくるので、注意が必要です。

胚移植日に培養日数を加えて出産予定日を計算していかなければなりません。

排卵日はそれぞれ、以下のとおりとなります。

【凍結胚移植の場合の排卵日】

  • 4細胞期胚:胚移植日の2日前
  • 8細胞期胚:胚移植日の3日前
  • 胚盤胞:胚移植日の5日前

上記の排卵日を同様に妊娠2週0日として計算していくことになります。

体外受精と自然妊娠の出産予定日には違いはある?

何となく自然妊娠と比較して体外受精の方が出産予定日の計算が難しいように思うかもしれません。

ですが、いつ妊娠したのかはっきりわかりにくいこともある自然妊娠とは違い、体外受精では排卵日が明確にわかります。

そのため、排卵日や胚移植日をもとにして出産予定日を判断可能です。

自然妊娠と体外受精のどちらであっても、卵子と精子がひとつになり受精するのは変わりません。

そのため、自然妊娠と比較して体外受精のほうが出産予定日が早い、遅いといったこともありません。

もちろん、妊娠の経過・生まれてくる赤ちゃんについても変わりはないので、あくまで卵子と精子がひとつになる段階の工程のみ異なる形です。

自然妊娠の場合にみられる出産予定日の計算を誤るケース

自然妊娠の場合は、計算を誤ってしまうことがあります。

主に月経周期がわからないケースと、妊娠0週0日の数え方が間違えているケースの2つによるものです。

それぞれ解説します。

月経周期がわからないケース

そもそも自分の月経周期がよくわからないといったケースでは、最終月経の日を妊娠0週0日と考えて計算していく方法があります。

月経周期は約28日であり、妊娠しやすい日である排卵は月経開始から約14日後です。

そのため、月経周期がわかっているといつ妊娠したのかも判断しやすくなり、はっきりとした出産予定日の予想を立てやすくなります。

ですが、月経周期が必ずしも約28日とは限りません。

25日以上38日以内であれば正常範囲とされていることからも、人によって差が大きいことがわかります。

排卵日がずれれば妊娠した時期もずれることから、いつ排卵・受精したかはっきりせず、正しい予定日を計算するのが難しくなるでしょう。

特に月経周期が不規則だったり基礎体温の管理ができていなかったりする場合は、最終月経の開始日で計算する場合に誤ってしまうことがあります。

妊娠0週0日の数え方が間違えているケース

そもそも妊娠0週0日の数え方を間違っているために、計算を誤ってしまうことがあります。

妊娠経過を計算していく際のスタートとなるのは、最終の月経開始日です。

ですが、中には性交日や排卵日を基準に考えてしまい、正しく出産予定日が計算できない方もいます。

体外受精の場合は病院側で細かい説明を受けながら妊娠が経過していくことになるので、そういったことはありません。

出産予定日はどのように決まるの?

出産予定日の決め方にはいくつかの方法があります。

ここでは代表的な決め方について3つ解説します。

排卵日を基準に算出する

確実に排卵日や受精日がわかる場合は、これらから出産予定日を決めることになります。

妊娠期間の目安は、一般的に280日(40週0日)です。

これは1か月を28日と考えたときに10か月分であることから、妊娠期間は「十月十日(とつきとおか)」といわれます。

紹介したように、排卵日を妊娠2週0日として計算することから、280日から2週間(14日)を引き、排卵推定日に266日を加えた日付が出産予定日です。

排卵日が正確にわかっている体外受精の場合は排卵日が妊娠2週0日であることから、そこから確実にカウントできます。

最終月経の開始日をもとに算出する

最終月経の開始日をもとにする考え方は、最後の月経開始日を妊娠0週0日とするものです。

妊娠0週0日にあたる日に280日を加えた日が、出産予定日です。

ただ、日本産科婦人科学会が公表している産婦人科のガイドライン(※)を見てみると、排卵日がわかる場合はその情報を他の情報よりも優先すべきとされています。

これは、あくまで排卵日がわからない場合に目安として使うのが「最後の月経開始日」だからです。

一般的に月経周期は約28日で、排卵は月経開始から約14日後に起こるとされます。

ですが、排卵は体の中で起こるため、正確には特定できません。

最後の月経開始日から14日後に排卵が起こったと仮定して計算するのが、最終月経の開始日をもとに算出する方法です。

ただし、実際には排卵日がずれることも多く、正確な日にちは不明なことが多いといえます。

参考:(PDF)公益社団法人日本産婦人科学会、公益社団法人日本産婦人科医会:産婦人科診療ガイドライン-産科編2023[PDF]

経腟超音波検査の結果から算出する

経腟超音波検査は、超音波を使って胎児の大きさを調べ、そこから出産予定日を予測する方法です。

ある程度胎児が成長してくると個人差が生まれますが、妊娠初期の段階ではほとんど違いはみられません。

そのため、妊娠8~11週頃の早い段階で胎児の大きさを測り、出産予定日を算出することになります。

最終月経の開始日をもとに算出する方法では、正確な出産予定日が不明なことが多いと紹介しました。

そういった場合でも経腟超音波検査の結果を見て、より正確な予定日を算出していくことになります。

また、体外受精の場合であったとしても、同様に超音波検査を行うことにより、さらに正確な出産予定日を判断可能です。

出産予定日はいつ頃確定するのか

出産予定日は、妊娠12週までに確定されます。

そもそも、なぜ出産予定日の確定が必要なのでしょうか。

産婦人科のガイドライン(※)では、妊娠初期である13週6日までに正確な出産予定日を決めておくこととしています。

これは、妊娠期間が正常よりも長くなる過期妊娠の診断に必要であるためです。

流産や早産、胎児の発育不全を調べるためにも必要になります。

参考:(PDF)公益社団法人日本産婦人科学会、公益社団法人日本産婦人科医会:産婦人科診療ガイドライン-産科編2023[PDF]

妊娠期間を計算するときに用いられる“受精後胎齢”と“月経後胎齢”

妊娠期間を計算する際は、よく「受精後胎齢」や「月経後胎齢」といった表現が使われます。

これらはそれぞれ何を指しているのか解説します。

受精後胎齢とは

受精後胎齢とは、受精日(排卵日)を妊娠1日目として数え、妊娠週数を計算する数え方のことです。

受精日がわかる場合は、一般的にこちらの受精後胎齢で妊娠期間を計算していくことになります。

体外受精の場合は受精日がはっきりしていることから、受精後胎齢で計算が可能です。

月経後胎齢とは

月経後胎齢は、最後の月経開始日を0週0日として数える計算方法です。

自然妊娠のように受精日(排卵日)がはっきりわからない場合は月経後胎齢で計算していきます。

なお、月経が始まってから2週間後に排卵が起こるため、受精後胎齢は月経後胎齢から2週間引いたものでもあります。

排卵日が確実にわかるケースと比較して、誤差が生じやすい計算方法であることについては押さえておかなければなりません。

また、月経周期が28日であることを前提として計算する方法です。

出産予定日を過ぎても生まれないことはある?

出産予定日は、出産日を保証するものではありません。

そのため、出産予定日よりも早く生まれることもあれば、逆に、予定日を過ぎてから出産となることも少なくありません。

あくまで一つの目安として考えましょう。

周産期委員会の令和5年度委員会報告によると、以下のとおりとなっています。

分娩週 

2022年出産数 

22〜34週 

13,974 

35週 

5,663 

36週 

10,188 

37週 

31,954 

38週 

52,705 

39週 

48,537 

40週 

39,421 

41週 

12,727 

42週~ 

364 

参考:(PDF)日産婦誌76巻 6 号:周産期委員会[PDF]

妊娠期間の目安は一般的に280日(40週0日)ではありますが、上記のように前後するケースも多いことがわかります。

ただ、妊娠41週に入っても生まれない場合は、分娩誘導などの医療措置を行うかについて検討していかなければなりません。

また、42週目以降になった場合は過期産と呼ばれ、母体・胎児ともに出産リスクが高まります。

これは、胎児が強大化する恐れがあるほか、胎盤機能の低下、胎便吸引症候群といったリスクがあるためです。

そのため、過期産を迎える前の段階で分娩誘発がされるのが一般的です。

命の危険が迫っているようなケースでは緊急帝王切開手術を検討することもあります。

なお、体外受精の場合も胎児の成長はさまざまであり、出産予定日がずれることはあります。

医師が状態を確認しながら出産予定日を推測していくことになりますが、個人差があるため多少の誤差やずれが出てくるのは当然のことと考えておきましょう。

一般的の妊娠週数と胎児の成長が多少ずれているからといって、成長に問題がなければ悩む必要はありません。

体外受精の場合の出産予定日を確認しておこう

今回は、体外受精で妊娠した場合、出産予定日はいつになるのかについて紹介しました。

いつ妊娠したかわからない自然妊娠とは異なり、体外受精の場合は受精日(排卵日)のタイミングがはっきりしています。

そのため、出産予定日を正確に計算できるでしょう。

ただ、紹介したように必ず予定日に生まれるわけではないので、過度に悩んでストレスを感じないように注意しましょう。

 

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