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シングルマザー向け節約術を紹介

「母子家庭の貧困」が度々話題になっています。シングルマザーを取り巻く問題はさまざまですが、とくに経済的な問題は切実です。

この記事では、すぐに無理せずできる節約術や、収入を安定させるための方法をご紹介します。また、受けられる各種手当についてもご紹介します。
収入を安定させ、将来に備えていきましょう。

シングルマザーを取り巻く現状

厚生労働省「令和3年度全国ひとり親世帯等調査」によれば、母子世帯は​​​​119.5万世帯、父子世帯は14.9万世帯です。就業率は母子世帯が86.3%、父子世帯が88.1%とあまり差がないのに対し、平均年間収入は母子世帯が272万円、父子世帯が518万円と収入には大きな差があります。

また、養育費を離婚した父親から「現在も受け取っている」と答えたシングルマザーは28.1%と約3割にとどまっています。

このようなことから、シングルマザーを取り巻く状況はかなり厳しいものだと考えられます。

シングルマザーが抱える主な悩み

シングルマザーの抱える悩みには、「金銭面での不安」「仕事と育児の両立が難しい」「子どもが男の子だと更衣室やトイレに付き添えない」「相談できる人が周りにいない」「周囲からの偏見の目が気になる」などがあります。

中でも金銭面での不安は圧倒的です。今は暮らしていけているけど貯蓄ができていない、将来の学費が心配という声も多く聞かれます。

母子家庭に必要な生活費

母子家庭では、生活費はどれくらいかかるのでしょうか。
2023年に総務省統計局が行った「家計調査」によると、母親と18歳未満の子供のみの世帯の、1ヶ月の平均支出は232,079円です。

支出の名目 金額
全体 232,079
食費 56,574
住居費(家賃) 24,414
水光熱費 18,599
家具・家事用品 12,905
被服費 9,341
医療費 5,905
交通・通信費 33,535
教育費 13,704
教養娯楽費 19,420
その他 37,681

家賃が思いの外安く感じますが、実家暮らしなどで家賃がかかっていない人が多いことも一つの要因と考えられます。

全国賃貸管理ビジネス協会が出している「全国家賃動向」2024年1月調査分によれば、東京都の2部屋間取り(2K、2DK、2LDK)の住居費の平均は90,167円です。地方によってはもっと安く家を借りられるところもありますが、自分でアパートやマンションを契約する場合には、更に生活費は上がります。

生活費のうち削れるもの

金銭面の不安を解決するには、貯金を増やすことが一番です。

貯金を増やすには、出ていくお金を減らし、入ってくるお金を増やすことが大切です。ここでは、生活費のうち削れるものをご紹介します。

固定費

固定費とは、住居費、水光熱費、通信費、保険料、車の維持費、教育費など、定期的に一定の金額が出ていく支出を指します。出費を減らしたい時には、固定費を見直すことが効果的だと言われています。

水光熱費においては、電力会社を見直すことで電気料金が安くなる可能性があります。

保険料も、保障の内容を見直すことで保険料が安くなる可能性があります。医療保険で人気なのは、共済です。掛け金の割に充実した保障が受けられる点が評価されています。

変動費

一方の変動費は、食費、交際費、交通費、被服費、医療費など、毎月支出の額が変動するものを指します。

変動費の節約を考える時には、「できる範囲でやる」を心がけることです。変動費の節約には、労力が伴うものが多いので、無理して徹底すると体調を崩すなど、別の問題が出てきてしまいます。

【シングルマザー向け】節約術6選

ここからは、すぐにでも取り組める節約術を6つお伝えします。

格安SIMに切り替える

スマートフォンを格安SIMに切り替えることです。
スマートフォンのSIMを扱う会社には、「大手キャリア」と呼ばれる会社(NTTドコモ、ソフトバンク、au)と、「格安SIM」と呼ばれる会社(楽天モバイル、Y!mobile、mineo、ahamoなど)があります。

大手キャリアは通信網を自前で持っているのに対し、格安キャリアは大手キャリアの通信網を借りています。また、店舗を持たずインターネットからの申し込みだけという会社もあります。その分、設備投資や店舗運営にかかる費用が少なく、利用料金に還元することができます。

混雑する時間は通信速度が遅くなる場合もあるなどのデメリットもありますが、利用料金が大幅に下げられるのは魅力的です。

フリマアプリを活用する

続いては、「フリマアプリ」を活用することです。
たとえば、まだ着れるけどサイズアウトしてしまったお子さんの服、自分の着なくなった衣類、いただいたけど使っていない食器類などを出品してみると、意外なものに買い手がつくということがあります。不用品以外にも、ハンドメイド作品を販売している人もいます。

フリマアプリは実際のフリーマーケットとは異なり、自分の都合のいい時に出品、発送手続きができるところです。
また、登録は無料で、売れた場合に手数料が差し引かれるところがほとんどなので、初期投資もかからずに始められます。

一度にたくさんのお金が手に入るわけではありませんが、「ちりも積もれば山となる」です。
不用品やせっかくの技術を眠らせず、お金に変えてしまいましょう。

毎月の積立額を決める

毎月◯円は貯蓄に回すと決めて、その分を天引きにする方法もあります。
「余ったら貯金しよう」と思うとなかなか貯まらないものです。そこで、あらかじめ決めておいた◯円は最初からなかったものとして、お給料から差し引くという考え方です。

また、財形貯蓄制度がある会社にお勤めの場合、一般の積立よりも利率がいいことが多いため一度詳細を調べてみることをおすすめします。
財形貯蓄制度がない会社にお勤めの場合は、各銀行の積立貯金制度を利用しましょう。引き落としを給料日に設定しておけば、財形貯蓄と同じように積み立てていくことができます、

家計簿をつける

家計簿をつけるのは、無駄な支出を減らす上で非常に有効です。
たとえば100均で「安いから」と必要のないものを買ってしまったり、コンビニでついついお菓子をかってしまったり、という経験は誰しもあるはずです。
ひとつひとつは小さな金額でも、積み重なっていくと大きな金額になってしまいます。

家計簿をつけることによって、何にいくら払ったのかが明確になり、「余計なものは買わないようにしよう」という自制が働くようになります。

献立と買い物は1週間分まとめて行う

1週間の献立を前もって決めて、1週間分の買い物を事前に済ませておくことは、節約につながります。
最近はスーパーのチラシもチラシアプリで見られるため、こまめに確認しておくとよいでしょう。

何がお買い得なのかを見ながら献立を考えるとよりお得に買い物ができます。
たとえば、キャベツ1玉が安くなっていたとします。
月曜日はロールキャベツ、火曜日は付け合わせにコールスロー、水曜日は野菜炒め、のように、1玉使い切れるようにレシピを考えましょう。

1週間分をあらかじめ考えておくことで、安く買えたものをきちんと使い切り、食費を安くおさえられます。

固定費をクレジットカード払いにする

家賃、水道代、電気代、通信費などの固定費は、クレジットカード払いにしましょう。
クレジットカードで支払うと、カード会社ごとに設定されたポイントが還元されます。
ポイント数に応じて、景品や商品券などに交換することができます。
また、固定費をまとめてクレジットカード払いにすれば、カードの引き落とし日にすべてまとめて引き落とされるため、それぞれの支払い期日を気にする必要もありません。

ただし、「口座振替」の場合にのみ適応できる割引制度がある場合もあります。口座振替を使っていた人は結果として割高になってしまう可能性があるため、気をつけましょう。

生活費のシミュレーション

先に述べた平均金額や、今までの出費状況を元に、生活費のシミュレーションを立てましょう。
予算と言ってもいいかもしれません。

何にどれくらい使うのか目安を決めておくことによって、使いすぎに気づけるでしょう。

シングルマザーの方が収入を安定させる方法

収入を安定させるのに有利な資格と、その内容をご紹介します。

資格 内容
介護職員初任者研修 食事、入浴介助といった介護の基本的な知識を問う基本的な資格。全部で130時間の講習を受けなくてはならないが、講習はハローワーク経由で無料で受けられる。
宅地建物取引士 不動産取引をする上で必須の資格。 資格をもっていることで採用されやすくなったり、手当が出たりすることも。
情報処理技術者試験 IT分野には珍しい国家資格。IT業界や情報処理についての知識を問い、もっていれば自分の知識は一定レベル以上の域に達しているという証明になる。

そのほか、看護学校に通う必要はありますが、看護師も非常に有利な資格です。シングルマザーには元々看護師だったという人も多く、離婚してから看護学校に通う人もいます。

【関連記事】
シングルマザーに適した資格とは?資格取得の利点と支援制度も紹介

シングルマザーにおすすめの仕事・雇用形態

働き方としては、正社員、派遣社員、パートが思い浮かぶところではないでしょうか。それぞれのメリット、デメリットは以下の通りです。

働き方 メリット デメリット
正社員 福利厚生がしっかりしている 時短勤務ができる場合もある 勤務時間が長くなりがち
派遣社員 パートよりは時給がいい 紹介予定派遣なら正社員も狙える 雇用期間に上限がある
パート 自分の都合に合わせてシフトを組める 短時間から働ける 希望通りにシフトに入れるとは限らず、収入が不安定になりがち

コロナ禍以降、リモートワークが進み、在宅で仕事ができる職場も増えてきました。オンライン上で秘書や経理を委託する動きも広まっています。

おすすめはリモートワーク可の正社員や、フリーランスとして独立し、オンライン上で仕事を受ける形です。
子どもの体調不良等にも対応しやすく、また、自分のペースで仕事の時間配分を決めることができます。

【関連記事】
シングルマザーにあった働き方は?おすすめの仕事も紹介

【シングルマザー向け】仕事探しの方法

仕事の探し方にはどのような方法があるでしょうか。

  • ハローワークで探す
  • 求人サイトで探す
  • 転職サポート会社で探す

ハローワークでは、ひとり親世帯の就労支援をする「マザーズハローワーク」を全国21か所、「マザーズコーナー」を全国183か所に設置しています。

求人サイトには、多くの採用情報があります。その中から、自分で条件に合うものを探し、連絡をとっていきます。利用料金はかかりますが、転職サポートのための支援がついています。
経歴書の中身を確認してもらったり、面接に向けてアドバイスをもらったりできます。

そのほかの手段として、知人の紹介、地元の求人掲示板を見るなどもあります。

シングルマザーの方が利用できる支援・補助金制度

シングルマザーに対する支援・補助金制度は以下通りです。

児童手当 中学修了までの子どもを監護する者を対象に、手当を給付する。所得制限あり。
児童扶養手当 母子または父子で生活する者の経済的安定をはかるため、要件を満たすひとり親家庭の子どもに対し、手当を給付する。
ひとり親家庭の住宅手当 ひとり親世帯に対して各地方自治体が独自に行う住宅手当。
こども医療費助成 子どもの保険診療の自己負担分を自治体が負担してくれる制度。
母子寡婦福祉資金貸与[1] 20歳未満の児童を扶養している配偶者のない女子または男子、寡婦を対象とし、開業資金、修学資金などを借りられる制度。
寡婦控除・ひとり親控除 所得税控除。寡婦控除は一定の条件を満たした寡婦であれば、27万円分の控除が受けられ、ひとり親控除は一定の条件を満たせば、35万円分の控除が受けられる。

また、水道代や粗大ゴミの処分費用、JRの定期券など、一定の条件を満たすことで減免を受けられるものもあります。

賢く節約して楽しく暮らそう

ここまで、シングルマザーにおすすめの節約術や働き方を見てきました。養育費の不払いの問題や男女間の収入の格差など、社会的に解決されるべき課題もありますが、その一方で私たちは今を生きていかなくてはなりません。

経済的な不安を減らすための手段のひとつとして、節約があります。
無理せずに無駄な出費は減らし、安心して楽しく生活していきましょう。

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