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シングルマザーの大変なことは?解決策もご紹介

結婚したカップルの3組に1 組が離婚する時代、ひとり親家庭は珍しくなくなってきました。
この記事では、シングルマザーの何が大変なのか、どう解決できるのか、また、公的に受けられる手当や減免措置についてもみていきます。

シングルマザーが大変なこととは?

「シングルマザーは大変!」といろいろなところで耳にします。ここでは、シングルマザーが抱えるお悩みを紹介していきます。

シングルマザーの方々日々抱える苦労をまずは知ってみましょう。

生活費のやりくり

シングルマザーのいちばんの悩みは生活費のやりくりではないでしょうか。
シングルマザーは非正規雇用で働いている方も多く、厚生労働省の「令和3年度全国ひとり親世帯等調査」によると、シングルマザー世帯の平均年収は373万円でした。この数字は、シングルファザー世帯の606万円(同調査)や、子どもがいる世帯全体の平均の814万円(「2021年 国民生活基礎調査」による)と比較しても、かなり低く、生活保護の対象となるケースも多いです。
しかも、平均年収の中には各種手当や養育費も含まれており、離婚後4年で8割の人が養育費を受け取れなくなっている現状からすると、相当に厳しいものと言えます。

食料品は値下げシールが貼られる時間を狙って買う、衣類はなるべくお下がりをもらう、お出かけは無料イベントを活用するなど、皆さんさまざまな努力をなさっています。

この記事の最後の方には、シングル家庭が受けられる税制控除や手当なども紹介していますので、参考にしてくださいね。

仕事と育児の両立

シングルマザーであるからには、自分が家族の生活を支えないといけません。「絶対に失職するわけにはいかない」と、頑張りすぎてしまうことも多いです。

毎日朝から晩まで仕事をしていて、子どもの話を十分に聞いてあげられない、子どもの参観日に行けなかった、体調の悪い子どもを置いて仕事に行かざるをえなかった…。

仕事と育児に悩むシングルマザーからはこんな声が聞こえてきます。

家事は完璧を目指さない、便利グッズを活用する、うまく息抜きをするなどしましょう。

金曜の夜ご飯は近所のシングルママ世帯で持ち寄りパーティー。ママたちはおしゃべりでストレス発散、子どもたちはお友達と一緒のご飯で楽しい!なんて工夫をしている方もいらっしゃいますよ。

心身の疲労

家事も育児も、全てが自分にのしかかってくるシングルマザーは心身の疲労も相当なものです。

ゆっくり湯船につかる、早めに退勤できた日はひとりでゆっくりお茶をする、家ヨガやウォーキングの時間を取るなど、心身の疲れを取る工夫を心がけたいものですね。お子さんが小さいうちは、一緒にお風呂に入ればお子さんと過ごす時間も取れ、心身の疲れも取れて一石二鳥です。

住まいの確保

住まいの確保も重要な問題です。

シングルマザー世帯の持ち家率は非常に低く、ほとんどが民間の賃貸物件で暮らしています。また、平均年収が少ないため、住居にかけられる費用も少なく、手狭な家で我慢して暮らしているケースも多いようです。子どもが小さいうちは狭くてもまだ耐えられますが、大きくなってくると持ち物も増えますし、学習環境の確保も必要です。

しかし、敷金礼金が負担になって引っ越せない、などということも。そのようなひとり親世帯のために、住宅関連費用の貸付を行っている自治体がほとんどです。

自宅が落ち着ける、快適な場所にできると、ストレス解消にもつながりますね。

相談相手がいない

結婚している方であれば、何かに迷った時、悩んだ時にまず相談するのは配偶者という方も多いのではないでしょうか。

しかし、シングルマザーは何らかの理由で配偶者がいません。いなくて楽な時もありますが、相談相手もいないのは辛いところです。例えば子育てで悩んだ時、家庭内で何かトラブルが起きた時に、親身になって相談に乗ってくれる人がいないのは辛いですね。

多くの人は、友人や自分自身の親などに相談に乗ってもらうことが多いようですが、やはりちょっと違うな、と思うことも多いようです。

シングルマザーが苦労を乗り越えるためのポイント

ここまで、シングルマザーならではの悩みをみてきました。では、そのような悩みに、先輩シングルマザーの皆さんはどう対処してきたのでしょうか。

ここでは、シングルマザーが苦労を乗り越えるためのポイントをご紹介します。

気持ちを強くもつ

まずはじめは、気持ちを強くもつことです。

いきなり精神論!?と思われた方もいらっしゃるかもしれませんが、これが結構大事なんです。

何事に対しても気持ちを強く持つことで、「自分は大丈夫」「悪いことは起こらない」と前向きな姿勢でいられます。自信を持って前向きな気持ちで物事に取り組むと、時には本来持っている以上の力が発揮でき、物事がいい方向に進むものです。

これは、シングルマザーに限らず言えることです。何事にも気持ちを強くもつこと、ぜひ試してみてください。

周囲の人に頼る

シングルマザー、特に離婚したシングルマザーに多いのが、「自分がシングルマザーであることで、子どもや親に迷惑をかけたり、辛い思いをさせたりしてはいけない」と思ってしまうことです。

そして、もう頑張れないところまで頑張っているのに、疲れた心身に鞭を打って頑張ってしまう…。

でも、考えてみてください。頑張りすぎて、ギスギスしてしまっていませんか。子どもへの当たりが強くなってはいませんか。
無理に全てを自分でこなそうとせず、時には周囲の人を頼って自分の負担を減らした方がいいこともあります。
また、大人が周囲の人に頼り、協力しながら物事を進める姿を見せることで、子どもたちも周囲の人に頼っていいのだ、と思うことができます。

世の中、もちつもたれつです。「〇〇してほしい」と口にするのは勇気がいることですが、時には周囲の人に頼ってみましょう。いつかあなたが頼られた時に、お返しすれば、それで十分です。

サポート制度の利用を検討する

人に頼るのと並行して、サポート制度の利用も検討してみましょう。

家事代行サービスを利用して、家事負担を減らすのもひとつの方法です。ベビーシッターさんを利用して、保育園のお迎えから帰宅するまでの間、子どもをみていてもらうこともできます。

また、自治体や生協、NPOなどで、ファミリーサポート事業を行っています。事前に調整が必要ですが、定められた報酬を払うことで、子どもを預かってもらえたり、習い事の送迎をお願いできたりします。

全部自分でこなそうとするのではなく、使えるサービスは使うことで、時間にもゆとりが生まれますよ。

生活環境や雇用形態を変える

生活環境や雇用形態を変えるのもひとつの方法です。

例えば、職場から徒歩圏内の場所に引っ越すことにより、通勤時間がかからなくなり、ゆとりを持って家事をできるようになった、子どもを朝送り出してから出勤しても間に合うようになったなどのメリットが生まれます。

また、雇用形態を変えることで、拘束時間が減り、自分のペースで働けるようになったりします。ただし、多くの場合、正社員から業務委託やアルバイト・パートになることで、福利厚生の面では条件が悪くなります。
よほど明確な不満がない限りは、現在の働き方の枠組で、何かできることはないか探すのが現実的ではないでしょうか。

「あまり使っている人がいなくて知られていないけれど、実はフレックス勤務ができます」や、「実は法律で定められているよりもずっと長く育児のための時短勤務ができます」などといったケースもあります。

どちらも、今の生活の問題点や不満なところを書き出した上で検討するとよいでしょう。

経済的なゆとりをもつ

経済的なゆとりをもつことも大事です。

シングルマザーは収入が少なく、消費のうち生活必需品の占める割合が高いと言われています。毎月収入=支出で預貯金が作れず困っている方も多いのではないでしょうか。

しかし、お金のゆとり=心のゆとり、であることもまた事実です。

何かあっても大きく構えていられるよう、収入と支出のバランスを考え直す、自立支援教育訓練給付金や高等職業訓練促進給付金の制度を活用して、高収入の仕事に転職できるように準備するなどして、経済的ゆとりを生み出しましょう。

シングルマザーが幸せを感じたこと

ここまで、シングルマザーだからこその大変さ、大変なことを乗り越えるためのポイントについてみてきました。
これだけ大変なことが並ぶと、「自分にはシングルマザーは無理かもしれない」「自分が我慢してシングルの道を避けた方がいいのかな」などと思わせてしまったかもしれません。

でも、大変なことはあるけれど、幸せなこともたくさんあります。幸せなだけではないので、負の面をきちんと把握しておこう、という意味合いですので、ご安心ください。

ここからは、シングルマザーになって得られた幸せをみていきましょう。

精神的に楽になった

これは特に離婚してシングルマザーになった方がおっしゃることです。

離婚の理由はそれぞれですが、悩まされることがなくなり、精神的に楽になったという声は非常に多いです。

また、教育方針や生活リズムを、自分の考え方で決められるので、本当は〇〇の方がいいと思っているのに、相手の機嫌取りで違う行動を取らなくてないけないなどといったストレスを抱えることは、ほぼありません。

お金や時間を自分のことにも使えるようになった

ふたつめは、お金や時間を自分のことにも使えるようになったことです

シングルマザーになると、家のことは全て自分でやるしかありません。時間も、お金も、ペース配分をどうするか、優先順位はどうつけていくか、全て決めるのは自分です。
その結果、以前よりもお金や時間を自分のために使えるようになる、というケースが多くみられるようです。

また、離婚の場合は、夫のために使っていた出費や、夫の世話のための時間が丸々なくなります。また、「家事を夫に頼んでおいたはずなのに、やってくれてなかった」ということもなくなるため、時間の無駄は大幅にカットできるでしょう。

確かに、シングルマザーになることにより、経済的に厳しい一面はあります。しかし、我が子と自分だけで、自分が決めたルールにそって生活することで、結果的にお金や時間を自分のことにも使えるようになるのだとしたら、こんなに快適なことはないですね。

シングルマザー仲間と出会えた

シングルマザー仲間と出会えたことは、大きな財産となるのではないでしょうか。

お互いにシングルマザーの環境だからこそ、相手の置かれた状況や心情を推しはかって、食事をともにしたり、子どもを預けあったり、困った場面でサポートしあったりすることができます。

「ママ友」というのは、「子どもの年齢が近い」というだけではなかなか続かないものです。「子どもの年齢が近い」プラス「シングルマザーという境遇が同じである」ことにより、お互い支え合うことができるし、助け合うことができます。

育児という大変な仕事を共にやり遂げた後も、一友人として生涯を通じて親しくできそうです。

シングルマザーが使えるサポート制度

ここではシングルマザーが使えるサポート制度をご紹介します。ここでご紹介するもの以外にも、使える制度はあるのですが、ここでは、ひとり親家庭だからこそ使える制度を中心にご紹介します。

手当・助成金

手当や助成金には以下のようなものがあります。どれも、自分から申請しないと受け取れない手当なので、該当するのでは、と思うものがあれば、市区町村の窓口に問い合わせてみてください。

名称

概要

窓口

児童扶養手当

母子または父子で生活する者の経済的安定をはかるため、要件を満たすひとり親家庭の子どもに対し、手当を給付する。

子どもが1人の場合で、全部支給は44,140円、一部支給は44,130円から10,410円。

各市区町村の窓口

児童育成手当

(東京のみ)

ひとり親家庭等の児童の心身の健やかな成長に寄与することを趣旨として支給。支給額は13,500円。

各市区町村の窓口

遺児手当

(各市町村)

各市町村が独自に決める、ひとり親家庭に対する支援策。支給額も自治体によって異なる。

各市区町村の窓口

ひとり親家族等医療費助成制度

母子家庭や父子家庭等の経済的負担を軽減するため、医療機関を受診した場合の医療費の一部負担金を都道府県や市区町村で助成する制度。

各市区町村の窓口

そのほか、ひとり親家庭であるかどうかに関係なく、一定の条件を満たせば給付される「児童手当」、保険診療の自費部分が助成される「こども医療費助成制度」などがある。

減免・割引手当

ひとり親世帯が利用できる減免制度や割引手当には以下のようなものがあります。

名前

概要

窓口

ひとり親控除

所得税控除。一定の条件を満たせば、35万円分の控除が受けられる

各税務署

寡婦控除

所得税控除。一定の条件を満たした寡婦であれば、27万円分の控除が受けられる

各税務署

国民健康保険の免除

基準を満たしていれば、国民健康保険の保険料を減免または免除にできる

各市区町村の窓口

国民年金の免除

基準を満たしていれば、国民年金の支払いが免除になる。

各市区町村の窓口

 

 

上下水道料金の割引

一定の基準を満たしていれば水道料金が割引になる

各市区町村の窓口

電車やバスの割引

児童扶養手当を受給していると、受給者または同居世帯の人のJRの通勤定期が30%引

各市区町村の窓口

粗大ゴミ手数料減免

児童扶養手当を受給していると、粗大ゴミ処分の費用が減免される

各市区町村の窓口

保育料の免除・減免

ひとり親を保育園に預ける場合、条件を満たすことで保育料が減免もしくは免除される

各市区町村の窓口

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シングルマザーは辛いことばかりではない

ここまで、シングルマザーの大変なこと、シングルマザーになってよかったこと、シングルマザーが利用できる手当や減免措置についてみてきました。

やはり、精神的に悩みや苦しみから解放されること、お互いに助け合える仲間に出会えることは何よりの財産ではないかと考えられます。
この記事が、悩んでいる方の参考になれば幸いです。

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