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不妊治療の期間とは?期間、流れ、始めるタイミングを解説

2022年に厚生労働省が発表した調査結果によると、不妊の検査や治療を受けたことがある(または現在受けている)夫婦は22.7%、つまり夫婦全体の約4.4組に1組の割合で、不妊治療を受けていることがわかりました。

そんな不妊治療ですが、治療に取り組む上で懸念されることのひとつに、「治療の期間」を挙げることができます。

治療の進行は個々の身体的状況、年齢、生活習慣などによって異なるため、明言することが難しい部分もありますが、指標となる期間が存在します。

この記事では、不妊治療とは何か、一般的な治療期間、治療の流れ、そして治療を開始する適切なタイミングについて解説します。

参照:厚生労働省 不妊治療と仕事との両立サポートハンドブック

不妊治療とは

何らかの理由で妊娠が難しい、あるいはできないカップルに対して、妊娠可能性を高めるための一連の医療措置を不妊治療といいます。
不妊症の原因はさまざまあり、患者さんそれぞれに最適な方法が選ばれますが、治療方法によっては保険が適用されるものと、自費のものがあります。

主な治療法としては、以下が挙げられます。

タイミング法 超音波検査とホルモンレベル測定を用いて排卵日を予測し、妊娠しやすい日に性交を行う治療のことです
排卵誘発法 内服薬や注射薬を用いて排卵を促し、妊娠確率を向上させる治療方法です。一般的に、対象となるのは排卵困難な人々です
人工授精 主に男性の不妊問題を対象に、精液の中から選別した成熟精子を子宮内に注入する方法です
生殖補助医療 体外受精と顕微授精があり、いずれも膣から卵子を取り出して、体外で精子と受精させた後、子宮内に移植する方法です。これらは特に困難な不妊症のケースで用いられます

上記のなかで、人工授精と生殖補助医療は自費となることが多く、一度選んだ治療法で結果が出ない場合は、より高度な治療へ移行することが推奨されています。

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不妊治療の種類とは。一般治療から高度な技術について解説

不妊治療にかかる期間は2年が一般的

不妊治療は一夜にして結果が出るものではありません。治療が成功するまでには一般的には約2年程度かかると言われています。
しかし、これはあくまで一般的な平均値であり、原因や外部環境により、治療にかかる期間は変わります。

参照:ニッセイ基礎研究所 不妊治療にかかる期間とは?

段階的に進める必要

年齢によって必要な期間は異なりますが、女性の場合は35歳を過ぎると卵子の質と量が減少し始め、40歳を過ぎるとさらに減少していくことと関係しています。
そのため、高齢のカップルほど治療に時間がかかることが多いと考えておきましょう。

35歳以下の女性の場合、先述した段階的なアプローチで進めることをおすすめします。最初の6ヶ月間でタイミング法を試し、妊娠できない場合は、排卵促進剤の使用、人工授精、そして体外受精と段階的に治療を進めます。
医師と相談しながらが前提となりますが、各ステップは半年を目安とし、妊娠しない場合には次の段階に進むことを考えましょう。

35歳〜39歳の女性では、各治療期間を短縮することが推奨されています。
例えば、タイミング法や人工授精は各々3ヶ月間試みるなど、各段階の期間を短くして進めましょう。年齢を重ねるごとに妊娠しやすさが減少するため、各治療の期間を短縮しながら進行することが重要です。

それぞれの治療が3ヶ月間であれば、約1年以上で治療が完了することを目指します。

40歳以上の女性では、タイミング法から始める時間的余裕が少ない可能性が高く、また卵子の量も限られてくるため、初めから体外受精を試すことを考慮する方が適切かもしれません。

参照:日本産婦人科医会 1.妊娠適齢年令

年齢によって必要期間は変わる

また、年齢は不妊治療にかかる期間に大きな影響を及ぼします。一般的に、年齢が上がるにつれて妊娠の可能性は低くなります

特に女性の場合、35歳を過ぎると卵子の質と量が減少し始め、40歳を過ぎるとその速度はさらに加速します。
したがって、高齢のカップルほど治療に時間がかかることが多いといえます。

※当サイトを運営するI LOVE BABYでは、私たちの治療実績その他総合的観点より、受け入れ可能なご年齢は38歳未満とさせて頂いております。何卒ご理解ご了承のほどお願い申し上げます。

不妊治療は卵子の年齢を考えて

治療は、卵子の年齢を考慮して計画を立てていきます。卵子は、見た目とは無関係に年齢を重ねており、さらに数は生涯で限られていることから、決まった量しか生み出されません。
胎児の段階で約600万個の卵子も、出生時には200万個になり、初潮時には30万個になります。
これが45歳までには、卵子の数は約1,000個、閉経となる50歳頃には0になってしまいます。

このように、年齢と共に卵子の数は徐々に減少するため、不妊治療を始めるのは1年でも早い方が良いのです。

不妊治療にかかる期間は、卵子の数を基に逆算して考えましょう。1回の月経周期で約1,000個の卵子が失われ、1日に30〜40個が減ると考えられていることから、おおよその治療期間を見極めることが可能です。

参照:日本産婦人科医会 1.妊娠適齢年令

就労女性が不妊治療に要する期間

また、就労女性が不妊治療を受ける場合、勤務時間や休暇の調整が必要になるため、治療にかかる期間が長くなることもあります。

治療は体調や周期に合わせて行わなければならず、医療機関の予約や来院においても、仕事を考慮に入れながら調整しなければいけません。
しかし、不妊治療を成功させるためには、仕事とのバランスを取ることが重要です。職場の理解も得ながら、進めていくようにしましょう。

不妊治療の流れ

不妊治療は、段階的に進めるため、一定の流れがあります。以下では、それぞれのステップをより詳しく解説します。

カウンセリングと初期検査

不妊治療の最初のステップは、医師とのカウンセリングと初期検査です。この段階でのカウンセリングでは、カップルの健康状態や生活習慣、過去の病歴などを詳しく医師が聞きます。

そして、これらの情報を元に、不妊の原因を探るための基礎的な検査を行います。血液検査ではホルモンのバランスや生活習慣病の有無などを調べ、超音波検査では子宮や卵巣の状態を評価します。

男性には精液検査が行われ、精子の数や形状、運動性などを確認します。

治療計画の作成

初期検査の結果をもとに、次に治療計画を立てます。

この治療計画は、卵子の質や量、精子の状態、カップルの年齢や健康状態、そしてカップルの希望などを考慮し、最適な治療法を選択します。

ここでは、患者さんと医師が一緒に治療方針を決めることが重要です。

基本的な治療の開始

治療計画が確定したら、初めての治療として、排卵誘発剤の使用やタイミング療法など、比較的簡易的な方法が試みられます。

これらの治療は自然妊娠に近い方法であり、体への負担も少ないです。また、治療の進行により、更なる検査や治療が必要となる場合もあります。

高度な治療の開始

基本的な治療に反応がない場合、次に進むのは高度な治療です。人工授精や体外受精などがこれに当たります。

これらの治療は技術的に高度で、成功率も高いですが、費用や身体への負担も大きくなります。そのため、このステップへ進む際には、再度治療計画を見直し、患者さんと医師が十分な情報共有と合意を得た上で進めます。

治療の評価と再計画

治療が成功すれば妊娠へとつながりますが、うまくいかない場合もあります。医師と話し合い、治療の評価と再計画を行います。不妊治療は一度で成功するものではなく、繰り返し試みることが大切です。

また、治療を続ける中で新たな情報が得られた場合や体調が変化した場合にも、治療計画を見直すことがあります。

不妊治療は長期間に及び、身体的、精神的にも大きな負担を伴うことがあるため、医師、そしてパートナーと助け合い、サポートしながら進めることが大切です。

不妊治療に初めて行くタイミングはいつ?

不妊治療に初めて行くタイミングは、個々の状況に大きく依存します。一般的には、定期的な性交渉がありながら、1年以上妊娠しない場合に不妊の可能性を考えることが多いでしょう。
これは、すべてのカップルが1年以内に妊娠するわけではないためです。しかし、年齢や生活習慣、健康状態などによっては、この期間を待つ必要はありません。

たとえば、35歳以上の女性の場合、卵子の質と量が徐々に低下するため、性交渉がありながらも半年間妊娠しない場合には早めに医師に相談することが推奨されます。
また、周期が不規則であったり、明確な不妊の原因が既知であったりする場合(過去の手術や病歴など)も、早期に専門的なアドバイスを求めることが有益です。

その他、精神的なストレスや不安を感じている場合、または情報が欲しいだけでも、医師に相談することは有意義といえます。

不妊治療は、開始すると身体だけでなく心にも負担をかける可能性がありますので、必要なサポートを受けられるよう、積極的に医療機関を利用することをおすすめします。
しかし、不妊治療の開始を急ぐ前に、ライフスタイルの見直しを試みることも重要といえるでしょう。

例えば、喫煙や飲酒、過度なストレス、不規則な生活習慣などは、妊娠の可能性を下げる要因となることがあります。まずは改善できるところがないか振り返ってみてください。

最後に、妊娠に至らない理由がはっきりしていない場合でも、不妊治療を受けることは何も恥ずかしいことではありません。
不妊は医療的な問題であり、適切な治療とサポートを受けることで、多くのカップルが子どもを持つ喜びを得ることができます。

不妊治療の道のりは一歩一歩

不妊治療の期間は、個々の状況に大きく依存します。年齢、健康状態、治療の種類、そして何よりも個々の身体の反応が、この道のりの長さを決定します。

不妊治療は、一歩一歩、丁寧に進めていくものであり、急ぐべきものではありません。そのため、治療を始める前に、自分自身の身体と心に目を向け、必要な情報をしっかりと収集することが重要です。

そして何より、自分自身を信じ、優しく、自分のペースで進むようにしましょう。不妊治療は挑戦ですが、その道のりはあなた自身を深く理解し、自分自身と向き合う機会でもあります。

この記事があなたの不妊治療の旅の参考となり、あなたが希望の光を見つける手助けとなることを願っています。

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